神の祝福③祝福された人 聖書：ルカ１：３９－５６
39 そのころ、マリヤは立って、山地にあるユダの町に急いだ。
40 そしてザカリヤの家に行って、エリサベツにあいさつした。
41 エリサベツがマリヤのあいさつを聞いたとき、子が胎内でおどり、エリサベツは聖霊に満たされた。
42 そして大声をあげて言った。「あなたは女の中の祝福された方。あなたの胎の実も祝福されています。
43 私の主の母が私のところに来られるとは、何ということでしょう。
44 ほんとうに、あなたのあいさつの声が私の耳に入ったとき、私の胎内で子どもが喜んでおどりました。
45 主によって語られたことは必ず実現すると信じきった人は、何と幸いなことでしょう。」
46 マリヤは言った。「わがたましいは主をあがめ、
47 わが霊は、わが救い主なる神を喜びたたえます。
48 主はこの卑しいはしために目を留めてくださったからです。ほんとうに、これから後、どの時代の人々も、私をしあわせ者と思うでしょう。
49 力ある方が、私に大きなことをしてくださいました。その御名は聖く、
50 そのあわれみは、主を恐れかしこむ者に、代々にわたって及びます。
51 主は、御腕をもって力強いわざをなし、心の思いの高ぶっている者を追い散らし、
52 権力ある者を王位から引き降ろされます。低い者を高く引き上げ、
53 飢えた者を良いもので満ち足らせ、富む者を何も持たせないで追い返されました。
54 主はそのあわれみをいつまでも忘れないで、そのしもべイスラエルをお助けになりました。
55 私たちの父祖たち、アブラハムとその子孫に語られたとおりです。」
56 マリヤは三か月ほどエリサベツと暮らして、家に帰った。
メッセージ
マリヤは救い主イエス・キリストの母となりました。そのマリヤについて、聖霊に満たされたエリサベツは「祝福された方」と呼びました。なぜマリヤは祝福された方と呼ばれたのでしょうか。
１．マリヤは主に用いられました。
マリヤが祝福された方と呼ばれたのは、まず彼女が主の母として主に用いられたからです。
ところで人はいったい何のために、だれのために生きているのでしょうか？ 世の人たちはしばしば「世のため、人のため」に役に立つ人になりたいと言います。それは立派なことです。またある人は「国のため」に自分をささげたいという人もあるでしょう。それもまた立派なことです。しかし、半世紀以上前、大変痛ましいことでしたが、私たちの国では多くの若者が国のためにいのちを投げ出しました。それはその時代の日本に限ったことではなく、世界中で、しかも今のこの時代も続いています。
人は「世のため、人のため」、またあるいは「国のため」に生きる前に、「神のため」に生きるということを見失ってはいないでしょうか。そしてそれは創造主なるまことの神ご自身を見失っているからです。
申命記32：17 神ではない悪霊どもに、彼らはいけにえをささげた。それらは彼らの知らなかった神々、近ごろ出てきた新しい神々、先祖が恐れもしなかった神々だ。18 あなたは自分を生んだ岩をおろそかにし、産みの苦しみをした神を忘れてしまった。19 主は見て、彼らを退けられた。主の息子と娘たちへの怒りのために。
では、なぜ人は神を忘れ、神のために生きるという人間本来の生き方を見失ってしまうのでしょうか？
もちろんそれは人間の罪のためです。罪の本質は神を認めず、神に逆らうことです。そして罪に満ちた世で行われる教育の影響です。無神論に立った教育の中で「神はいない」と植え付けられ、「神のために生きる」などということはほとんどあり得ない考え方とされてしまいます。しかし、翻って聖書のみことばに立ち返るならば、人はまず「神のために」生きる必要があるというまことの真理に気が付くのです。
ヨハネ17:17 真理によって彼らを聖め別ってください。あなたのみことばは真理です。
マリヤは祝福された人であり、しあわせ者でした。（４８節）神のために生き、主に用いられたからです。
私たちも神から離れず、主とともに歩み、そのような忠実な信仰生活の結果として主に用いられるなら、私たちも祝福された人です。どうか、神を忘れることなく、みことばに立って、主のために生き、主に用いられる、祝福された人生を歩む人たちが増し加えられますように。
民数記10:10 また、あなたがたの喜びの日、あなたがたの例祭と新月の日に、あなたがたの全焼のいけにえと、和解のいけにえの上に、ラッパを鳴り渡らせるなら、あなたがたは、あなたがたの神の前に覚えられる。わたしはあなたがたの神、主である。」
２．マリヤは主に選ばれました。
マリヤが祝福された方と呼ばれたのは、彼女が主の母となるべく、主に選ばれたからです。
ルカ1:28 御使いは、入って来ると、マリヤに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」・・・31ご覧なさい。あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。
マリヤはたまたま主の母となったのではありません。神の永遠のご計画のうちに、世の初めからキリストのうちに選ばれ、主の母として用いられることが定まっていたのです。何と壮大で、畏れ多いことでしょうか。私たちもマリヤと同様に、主に用いられるために世の初めから選ばれています。
エペソ１：3 私たちの主イエス・キリストの父なる神がほめたたえられますように。神はキリストにおいて、天にあるすべての霊的祝福をもって私たちを祝福してくださいました。4 すなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前からキリストのうちに選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました。
マリヤは普通の女の人でした。特別の才能とか力とか身分とかがある人ではなかったのです。しかし主に大きく用いられました。主は私たちも用いようと、あらかじめ選んでくださっているのです。
１コリ1:27 しかし神は、知恵ある者をはずかしめるために、この世の愚かな者を選び、強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選ばれたのです。
主が用いてくださるのは、神の前に聖く、傷のない者です。それは今や、クリスチャンです。私たちはすでにキリストの血によって完全に罪と汚れから聖められており、大祭司なるキリストによって日々悔い改めることができ、ますます新しく造り変えられています。それは何のためでしょうか？天国に入るための準備というだけではありません。主に用いていただくための準備なのです。
２テモ2:21 ですから、だれでも自分自身をきよめて、これらのことを離れるなら、その人は尊いことに使われる器となります。すなわち、聖められたもの、主人にとって有益なもの、あらゆる良いわざに間に合うものとなるのです。
２コリ4:16 ですから、私たちは勇気を失いません。たとい私たちの外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされています。
主がご入用なのです。どうか、私たちも主に選ばれた器であることを覚えて、日々聖められ、ますます新たにされつつ、主に用いていただけるような祝福された人生となりますように。
３．マリヤは主に喜ばれました。
マリヤが祝福された方と呼ばれたのは、彼女が主をお喜ばせしたからです。
もう一度、人は何のために、だれのために生きているのかということを思い起こしてください。世の人で「人に喜んでもらいたい」「人を励ましたい」と願う人は多いです。例えば政治家になって、芸術家になって、エンターテイナーになって、・・・・です。これもまた立派なことでしょう。しかし、ここでも「神をお喜ばせしたい」ということが欠落していてはなりません。聖書は言います。
２テモ2:4 兵役についていながら、日常生活のことに掛かり合っている者はだれもありません。それは徴募した者を喜ばせるためです。
これは徴募された兵士について言われています。私たちは主のために選ばれたのですから主をお喜ばせしなくてはなりません。それがだれかを喜ばせるよりも優先されなくてはならないことなのです。
人はだれかを喜ばせようとしながら、無意識に、結局自分の自己満足のためにしているということがありがちです。主をお喜ばせしようとするクリスチャンにも同じことが起こります。このことは、私たちがしっかりと目を覚まして、気を付けていなければならない大事なところです。ところで、主ご自身はどうだったでしょうか？ 主はご自分を喜ばせることはなさらなかったのです。むしろ、ご自分は十字架の苦しみをもいとわれず、父なる神を喜ばせられたのです。
ピリピ2:5 あなたがたの間では、そのような心構えでいなさい。それはキリスト・イエスのうちにも見られるものです。6 キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えないで、7 ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられたのです。８．キリストは人としての性質をもって現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われたのです。
イエス様の御姿が私たちの模範であり、祝福された人の姿なのです。
ロマ15:1 私たち力のある者は、力のない人たちの弱さをになうべきです。自分を喜ばせるべきではありません。・・・3 キリストでさえ、ご自身を喜ばせることはなさらかったのです。・・・
どうか、私たちも主をお喜ばせすることができますように、そうすることによって祝福された人生を送ることができますように。